令和8年4月から拡大!公益信託への財産拠出と譲渡所得の非課税特例のポイント
公益信託に財産を拠出する場合の譲渡所得の非課税制度が、**令和8年4月から対象拡大(公益信託の受託者が追加)**されます。
① 制度の基本構造
個人が土地・建物・株式などの財産を公益法人等へ寄附すると、
通常は「譲渡があったもの」とみなされ、含み益に所得税が課税されます。
しかし、一定の要件を満たし、国税庁長官の承認を受けた場合は、
その譲渡所得が非課税になります。
② 令和8年4月の改正ポイント
従来は主に
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 社会福祉法人
などが対象でしたが、
令和8年4月以降は
➡ 公益信託の受託者
も特例の対象に追加されます。
つまり、
公益信託への財産拠出でも非課税特例が使えるようになります。
③ 特例は2種類ある
一般特例
公益法人等への寄附で、
- 公益への寄与
- 財産が公益事業に直接使用される
- 税負担回避目的でない
などの要件を満たす場合に適用されます。
承認特例
一定の公益法人等(国立大学法人など)や公益信託に対する寄附で、
- 寄附者と受託者が親族関係でない
- 基金組入れなどの管理方法が適切
などの要件を満たす場合に適用されます。
※こちらは
自動承認の仕組みも設けられています。
④ 手続き
非課税特例を受けるには
- 寄附
- 承認申請書提出
- 税務署審査
- 承認通知
という流れになります。
申請は
原則:寄附日から4か月以内
に提出する必要があります。
⑤ 注意点(承認取消し)
次のような場合は
非課税承認が取り消されます。
例えば
- 寄附財産が公益事業に使われない
- 財産が2年以内に使用されない
- 必要書類を提出しない
などです。
取消しになると、
寄附時にさかのぼって課税されます。
公益信託が非課税特例の対象に加わることで、公益目的の資産活用の選択肢が広がる改正ですが、
実務上は
- 承認手続き
- 管理要件
- 取消しリスク
があるため、
「節税スキーム」としてではなく、公益目的の本来の趣旨で使う制度と理解しておくことが重要だと思います。

