令和7年度税制改正のポイント 〜防衛力強化に係る財源確保のための税制措置、納税環境整備〜
🛡️ 防衛力強化に係る財源確保の税制措置の背景と内容
背景
- 国際情勢の緊迫化や安全保障環境の変化を受けて、日本政府は防衛力の抜本的強化を進めています。
- これに伴い、安定的な財源確保が不可欠となり、税制面での支援が求められています。
内容
- 令和5年度税制改正大綱を踏まえ、今後の税制措置として所得税などの見直しが検討されています。
- 現時点では具体的な税率変更などは明示されていませんが、将来的な増税や控除見直しの可能性も含めて議論が進行中です。
💻 納税環境整備:電子取引データの扱いと新制度の導入
背景
- 経済活動のデジタル化が進む中、紙ベースの帳簿や請求書では対応が困難になってきています。
- 国税庁は、電子取引の透明性と信頼性を高めるため、新たな保存制度を導入。
新制度のポイント
- 対象となる電子取引データ:請求書・納品書などの重要書類に相当するデータ。
- 保存要件:
- 国税庁長官が定める基準に適合したシステムを使用(例:「Invoice JP PINT」「JP Self-Billing」など)。
- 見読可能装置の備付け、システム概要書の備付け、検索機能の確保などの技術的要件。
- 保存義務者による事前の届け出と保存状況の確認が必要。
税務上のメリット
- 上記の要件を満たす場合、電子取引データに関連する隠蔽・仮装行為に対する重加算税(10%加重)の対象外となる。
- 適用開始は令和9年1月1日以降の申告期限に到来する国税から。
📘 青色申告特別控除(65万円)の要件緩和
従来の要件
- 「優良な電子帳簿の保存」が控除の条件でした。
改正後の要件
- 新制度に基づく電子取引データの保存要件を満たしていれば、控除対象として認められる。
- これにより、デジタルインボイス等を活用した企業や個人事業主が、より柔軟に控除を受けられるようになります。
- 適用は令和9年分以後の所得税から。
この改正は、単なる税率変更ではなく、国家戦略(防衛)とデジタル化推進(納税環境整備)を税制で支えるという大きな流れの一部です。