【令和7年1月適用】立木価格の評価基準が改正へ

~財産評価基本通達の一部が見直されました~

はじめに

森林や山林をお持ちの方、あるいは将来的に相続の予定がある方にとって、ちょっと気になるニュースがあります。
令和7年(2025年)1月から、「立木」の評価基準が見直されることになりました。これは、相続や贈与などで森林を取得した場合の税金に関係する話です。

評価方法が変わると、相続税や贈与税の額にも影響が出る可能性があります。今回はその内容を、なるべくわかりやすくご紹介します。

改正の背景と目的

国税庁は2024年6月、立木価格の実態に即して「標準価額表」の見直しを行うと発表しました。これは、昭和39年に初めて示された評価通達を基にしたもので、今回の改正ではとくに森林資産の評価に重要な「標準伐期にある森林の立木の標準価額表」が更新されています。

これにより、評価基準が現状に即したものとなり、より公平な課税が期待されます。

改正の概要

令和7年1月1日以後に「相続」「遺贈」「贈与」により取得した森林の立木は、新たに定められた「標準価額」に基づき評価されます。以下はその一例です:

国税局名都道府県名林業地帯名杉(千円)ひのき(千円)
東京東京都多摩340780
名古屋静岡県天竜6301,220
熊本熊本県球磨川6101,430
関東信越栃木県渡良瀬川8901,210
広島島根県斐伊川530850

※他地域の価格も改定されています。

今後の影響と実務上の留意点

  • 森林資産を相続・贈与される方は、評価額の見直しによって相続税・贈与税の金額が変動する可能性があります。とくに、ひのきの価格が高額で設定されている地域では注意が必要です。
  • 税理士・土地家屋調査士等の専門家は、評価日が「令和7年1月1日以降」であるかどうかに留意し、評価通達の適用区分を誤らないよう注意する必要があります。

まとめ

今回の改正は、「最近の木材価格の実情に合わせて評価方法を見直しましょう」というものです。
特に林業地帯や森林資産をお持ちの方にとっては、税額が変わるきっかけにもなりますので、見過ごせません。

「相続した山に価値があるのか?」と思われる方も、評価次第では意外と高くなるケースもあります。
森林や立木の評価が気になる方は、早めに税理士など専門家に相談しておくと安心ですね。