インボイス少額特例による仕入税額控除
少額特例を利用すれば、請求書保存なしに仕入税額を全額控除可能です。
消費税の仕入税額控除において、一定の条件を満たす少額の課税仕入れについては、「少額特例」を適用することで帳簿のみの保存で控除が可能です。この特例は令和11年9月30日まで適用されます。
主なポイント
- 少額特例の条件と控除率
- 基準期間の課税売上高が1億円以下の事業者が対象。
- 税込1万円未満の課税仕入れに適用。
- 100％の控除が可能。
- 請求書の保存義務
- 少額特例では請求書等の保存は不要。
- ただし、法人税法上の証憑書類の保存義務があるため、区分記載請求書を保存するケースもある。
- 80％等控除との関係
- 区分記載請求書を保存している場合、控除率が100％ではなく、経過措置として80％や50％になる可能性あり。
- 少額特例と80％等控除は取引ごとに選択可能だが、同じ取引での重複適用は不可。
- 帳簿記載の要件
- 80％等控除では「経過措置適用」の記載が必要。
- 少額特例の場合、特別な記載は不要で通常の記載事項のみで対応可能。
事業者はどちらの制度を選択するかを判断する必要がありますが、少額特例を選べば控除率が有利になる場合があります。
